
1. 素材の反射
素材の反射率は、表面の緻密の程度平滑性等に影響するが反射板等のその反射面の能力維持のため耐食性、レべリング効果のある光沢ニッケル、クロム、光沢金めっき等が行なわれる。
2. 反射特性の利用 (カラー化、光の反射と吸収)
我々は、反射光の波長によりさまざまな色を感じるが、カラー化においても表面処理技術が多くの製品に利用されている。 反射には、使用する目的、光源等、によって反射率の選択、反射光の波長の選択が必要な場合があり、表面処理(めっき)等によりこれらの条件に対応することができる。 使用例としては、赤外線センサーの光沢ニッケル・金めっき、レーザー光線反射板の光沢金、銀めっき、エンコーダーの半光沢二ツケル、その他反射を抑える目的で黒亜鉛、黒ニッケル、黒クロム、アルミニュウムへのアルマイト等の陽極酸化被膜、化成処理、ステンレス材の化学研磨、電解研磨等による光沢化処理、酸性酸化処理による発色「インコ法」、「電解発色法」等がある。
また、チタンは硫酸やりん酸溶液中で「電解発色法」によりさまざまな色(虹色)を発色させることができカラー反射を利用した装飾品、オブジェ等にも利用されている。
白色系の反射を利用する場合.......白金、銀、ロジウム、ニッケル/クロムめっき
赤色系の反射を利用する場合.......銅、金
黒色系の反射防止特性を利用する場合.........黒亜鉛、黒ニッケル、黒クロム、黒色無電解めっき、
黒色クロメート、四酸酸化鉄処理(黒)、化成処理、熱処理等。
その他の色を利用する場合.....カラーアルマイト(陽極酸化/染色処理)、電着塗装、化成処理等。
3.金属薄膜の反射率(%)
めっきのような金属薄膜は完全結晶格子からのずれが大きく、めっき条件による結晶粒子形態がさまざまでありピンホール等欠陥が多いこと、また、素材からの影響を大きく受けるため、めっき製品の反射率は実測による評価が妥当である。
下記データは、一般金属薄膜の反射率の参考データである
金属薄膜の反射率 [%]
波長λ (μm) |
Ag |
Al |
Au |
Cd |
Cu |
Ni |
Pt |
Rh |
Sn |
紫外線域(0.28) |
25.2 |
92.3 |
37.8 |
λ=0.251
36
|
33.0 |
37.6 |
43.1 |
68.5 |
λ=0.251
17
|
紫色 (0.4) |
94.8 |
92.4 |
38.7 |
λ=0.357
60
|
47.5 |
λ=0.361
41.2
|
λ=0.361
52.4
|
77.6 |
λ=0.357
27
|
赤色 (0.7) |
98.5 |
89.9 |
97.0 |
− |
97.5 |
68.8 |
69.0 |
80.4 |
− |
赤外線域(1.0) |
98.9 |
93.9 |
98.2 |
− |
98.5 |
72.0 |
77.0 |
85.0 |
− |
参考資料
飯田修一、大野和郎、神前 熈、熊谷寛夫、沢田正三共編、新版 物理定数表、 朝倉書店 (1988)
城南電化情報委員会
|