１．表面処理による機能・性能の向上

　製品設計において、重要なことは誰が、いつ、どこで、どのような目的で使用するかを検討する必要があり、売れる製品とは、顧客等のニーズをうまくつかんだ製品といえる。
　顧客のニーズに対応する手段のひとつには機能・性能の向上があるが製品の最終工程となることが多い表面処理(めっき)は、これら機能・性能の向上に大きく貢献している。
下記に表面処理で可能な代表的な機能・性能と表面処理の種類を簡単に紹介する。
( 詳細、他の機能・性能等については、「技術情報」を参照。)

　1-1．代表的な機能・性能と表面処理

　　

美観・装飾
■ 用途 家具、店舗内装品、車、オートバイ部品、家電製品、嗜好品、カメラ、時計、眼鏡、ライター、装身具(アクセサリー)、照明器具、等 ■ 表面処理 銅/ニッケル/クロム、すず、すず/ニッケル、銅/すず、黒ニッケル、金、銀、ロジウム、黒色クロム、銅古美仕上げ、化成処理、チタンコート等。
防　錆
■ 用途 建築材料、航空機・船舶、宇宙・防衛部品、自動車、オートバイ部品、機械・精密部品、コンピュータ・電子部品等 ■ 表面処理 亜鉛、亜鉛/ニッケル、亜鉛/鉄、銅/ニッケル/クロム、カドミウム、無電解ニッケル、すず、半田、金、銀、ロジウム、黒クロム、化成処理、等。
耐摩耗性
■ 用途 航空機・船舶、宇宙・防衛部品、自動車、オートバイ部品、機械・精密部品、コンピュータ・電子部品、シャフト、ピストン・シリンダー、摺動部品等 ■ 表面処理 硬質クロム、無電解Ni-P (Ni-B)、酸化物・窒化物・炭化物との複合めっき、ニッケル-タングステン合金、コバルト-タングステン合金、ロジウム、チタンコート等。
摺動性
■ 用途 家具、車、オートバイ、航空機・船舶、宇宙・防衛部品、機械・精密部品、コンピュータ・電子部品、軸受部品、シャフト、ピストン・シリンダー、家電製品、等 ■ 表面処理 銀、銅、ニッケル、クロム、金、ロジウム、すず、鉛、はんだ、無電解ニッケル、複合めっき(PTFE等 )、カドミウム等。
電気伝導性
■ 用途 プリント基板、電気・電子・半導体部品、コンピュータ、通信機器、携帯電話、家電製品、等 ■ 表面処理 銀、銅、金、ロジウム、ニッケル、パラジウム、純すず、無電解(銅、ニッケル、金、すず)等。
ボンディング性　(はんだ付け性)
■ 用途 半導体部品、プリント基板、電気・電子部品、等 ■ 表面処理 金、銀、すず、はんだ、銅、ニッケル、ロジウム、等。

城南電化情報委員会