城南電化協同組合 (東糀谷めっきセンター)
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Plating Technology

  


１．要求特性と表面処理

　　　　　　　

　製品設計において、重要なことは誰が、いつ、どこで、どのような目的で使用するかを検討する必要があるが、現在の多くの製品は、環境規制(RoHS、WEEE、REACH)、PL法(製造物責任)、等の法的制約、また厳しい企業競争の中でコストダウンと目的・機能確保のための模索が行われている。　そして表面処理技術は必要とする特性とその目的を得るための一手段として重要な役割を担っている。　要求特性と表面処理の種類との関係は参考として代表的なものを次の表に示す。　対象とする加工品の素材、形状、状態によって表面処理法、表面処理の難易度が異なることに注意が必要であり、表面処理を行ったことで他の特性に悪影響がでる場合も考慮し、素材開発も含め、設計段階での関連分野の技術者同士の打ち合わせが必要である。

   (下記表の項目(特性)の一部(黄色部)はクリックすると関連情報にリンクします)

　
　　　　　　　　要求特性と表面処理(めっき金属種)
　
　　　　　注： ◎　要求特性にかなり対応可能である、　○　要求特性に対応可能である、　☆　条件によっては対応できるもの　　
　　　　　　　　特性

　　　　　

　めっき金属種

耐食性 耐摩耗性 寸法精度 離形性 導電性

熱伝導性

耐薬品性 抗菌性 磁性 耐熱性 耐変色性 摺動性 撥水性 ぬれ性 シール性 電磁波ﾞ特性 反射特性 装飾用
銅

　

　 　 　 ◎ 　 ◎ ○ ○ 　 　 　 ◎ 　 ○ 　 ◎
ニッケル ○ ○ 　 　 　 ○ 　 　 ◎ ○ 　 　 ○ 　 ○ ○ ◎
黒色ニッケル ○ 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　　 ◎
クロム ◎ ◎ 　 ○ 　 ○ 　 　 ○ ◎ ○ 　　 　 　 　 ◎ ◎
硬質クロム ○ ◎ 　 ○ 　 ○ 　 　 ○ 　 　 　 　 　 　 　 ◎
黒色クロム ◎ 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　　 　 　 ◎
金 ○ 　 　 　 ◎ ◎ 　 　 　 ◎ 　 　 ◎ ○ ○ ◎ ◎
銀 　 　 　 　 ◎ 　 ◎ 　 　 　 ○ 　 ◎ ○ ○ ○ ◎
ロジウム ○ ◎ 　 　 ○ ◎ 　 　 ○ ◎ ○ 　 　 　 　 ○ ◎
パラジウム 　 ○ 　 　 　 ◎ 　 　 ○ ◎ 　 　 　 　 　 　 ◎
白金 ○ ◎ 　 　 　 ◎ 　 　 ○ ◎ 　 　 　 　 　 　 ◎
亜鉛 ◎ 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ○
亜鉛ーニッケル合金 ◎ 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　
黒色亜鉛 ○ 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ◎
カドミウム ◎ 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ○ ○ 　 　 　
錫 ○ 　 　 　 ○ ○ 　 　 　 　 　 　 ◎ 　 　 　 ◎

鉛及び錫鉛合金

○ 　 　 　 ○ ◎ 　 　 　 　 ◎ 　 ◎ 　 　 　 　
無電解ニッケル ◎ ◎ ◎ ○ ○ ◎ 　 ☆ ◎ ◎ 　　 　　 ○ 　　 　　 　 ○
無電解銅 　 　 ☆ 　 ◎ 　 ○ 　 　 　 　 　 ○ 　 　 　 ○
複合めっき 　 ◎ 　 ◎ 　 　 　 ○ ○ 　 ◎ ◎ ○ 　 　 　 　
化成処理・着色 ◎ 　 　 　 　 ○ 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ◎




２．素材と表面処理

　　　　　　

　表面処理加工を必要とする素材は、素材のままでは本来の目的を維持又は達成できない場合、また付加価値を必要とする場合に検討が行われるが、すべての素材に同じように外観、機能、特性を満足できる表面処理ができるわけではない。　素材の持つ物理、化学的性質、表面状態 (結晶状態)等によって現在使用されている表面処理薬品、表面処理技術で対応が困難な場合もあり、時には目的とする表面処理に適した材料開発が必要となる。素材のままでは問題ない場合でも、すでに他の素材と組み立てられた複合部品等の場合解体しないと表面処理加工ができない場合もあり設計段階での検討が必要となる。

次に、めっきが行われている多くの素材 (特殊素材を含む)の用途、種類、目的、特性・物理化学的性質、表面処理(めっきを中心)、注意事項等について紹介する。

　 下記表は素材に一般的に行われている下地めっき、最終めっき等の一例を参考にあげてある。

 　　　 (下記表の項目(特性)の一部(黄色部)はクリックすると関連情報にリンクします)
　
　 　 素材と表面処理
　注： ◎　素材に直接処理又は下地めっき等、　○　最終表面処理として行われているもの、　☆　条件によっては直接めっき

　　　　　素材　 　　　　　　　　

　　　

　　

　めっき金属種

 鉄鋼

銅及び銅合金

 ステンレス鋼 アルミニウム マグネシウム ダイキャスト 焼結合金 複合材料

チタン

ジルコニュウム

 ハフニュウム

モリブデン

タングステン

 ニオブ

タンタル

カ

|

ボン

 樹脂

プラスチック

 セラミックス ガラス 紙

繊維

粉体

 かわった素材
銅

◎

 ◎ 　 ◎ ◎ ◎ ◎ ☆ ○ ○ ○ ◎ ○ ○ ○ ○ ☆ -
ニッケル ◎ ◎ ◎  　  　 ○ ◎ ☆ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ☆ -
黒色ニッケル ○ ○ ○ ○ ○ ○  　  　  　  　  　  　  　 　 　 　　   -
クロム ◎ ○ ○ ○ ○ ○     ○ ◎ ○           ○ -
硬質クロム ◎ ○ ○ ○ ○ ○ 　  　  ○ ○ ○  　   　     　    　 ○ -
黒色クロム ◎ ○ ○ ○ ○ ○ 　  　  　  　  　   　   　 　     　  　     -
金 ○ ○ ◎ ○   ○ ○ 　 ◎ ◎ ◎  　 ○ ○ ○ ○ ○ -
銀 ○ ◎ 　 　   　   　 　 　 ○   ○ ○ ○ ○ ○ -
ロジウム ○ ◎ 　 　      　  　 ○ ○    　  　  　  　 ○   -
パラジウム 　 ◎ 　 　 　   ○  　 ○ ○ 　   　  　  　 ○ ○ ◎ -
白金 ○ ◎  　  　  　       　 ◎ ◎ ◎  　  　  　 　   　   -
亜鉛 ◎ ◎   　   　   　 ○ ◎    　 　   　 　 　 　 　   　 ○ -
亜鉛ーニッケル合金 ◎ ◎ 　 ○  　 ○ ○ 　 　 　 　 　 　  　 　     　 -
黒色亜鉛 ○ ○  　  　  　 　 　 　 　 　 　 　 　  　  　 　    -
カドミウム ◎ ◎  　 ○  　 　 ◎ 　 　 　 　 　     　   　  　   -
錫 ○ ◎   　  　     ○ 　  　  　 　 　 　 ○  　 ○   ○ -

鉛及び錫鉛合金

 ○ ◎   　  　      　  　  　  　     　      　 ○    　    　 -
無電解ニッケル ◎ ◎   　 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ -
無電解銅 ◎ ◎     　    　 ○ ◎ 　 　 　 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ -
複合めっき ◎ ◎  　  ◎ 　 　 　 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○  　  　 ○ -
化成処理・着色 ○ ◎  　  ◎ ◎ ○ 　 　 　 　   　 　  ○ 　  　  　    -
陽極酸化       ◎ ◎       ◎                  
不動態化処理     ◎             ◎                  

　上記素材へのめっき例は実績が確認されたものの一参考例であり、数多くあるめっき種、素材種の組合せでは、さらに多くの事例があることをご理解いただきたい。
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