1.素材の水ぬれ性(親水性)
素材の水ぬれ性は、撥水性と逆で水滴がいかに素材表面となじみやすいかで判断するが、ぬれ性は表面状態の凹凸による表面積の増大に比例する。 めっきによるぬれ性の向上は、一般に表面状態の凹凸の大きい無光沢のめっきにより得られるが、素材表面に他の表面張力を低下させる物質のコーティング、アルコールや界面活性剤等の表面張力の低くさせる水溶液等の中ではぬれ性が向上する。
プラスチック(樹脂)等は、その組成により異なるがABS樹脂は、成分のスチレンをクロム酸等で溶解する事により表面の凹凸を作りぬれ性を向上させる事ができ無電解めっきの前処理として使用されている。
また、多くの樹脂は素材特定の薬品(溶剤等)に溶解又は侵食されるため、これらの薬品等による表面粗化がぬれ性向上に利用される。 ぬれ性の悪い素材にはガラスやセラミックスのような極めて平滑な平面を持つ素材があるが、アルカリ溶融塩、フッ酸等のフッ化物系の薬品によるエッチングによりぬれ性と素材への密着性の確保に利用される。 また、ゾルゲル法等により親水性の高い二酸化チタン(TiO2)のコーティングにより親水性の確保が可能であり、光触媒活性化法等による表面処理・めっき加工にも利用されている。
その他には、ブラスト、研磨、グロー放電処理等の物理的方法も利用されている。
2.はんだ付性
はんだ付性は、はんだのぬれがよいことが必要であり、この目的には、表面の酸化膜の生成、サビ等の発生、腐食性の少ない金属がめっきされる。 これらのめっきには、金、銀、すず、はんだ(すず鉛合金)、ロジウム、パラジウム、ニッケル(無電解ニッケルを含む)めっきが使用されている。
最近は、RoHS等の有害物質規制により鉛の使用が規制されたため、鉛フリーはんだ(すず、銀、銅等)としてこれらの合金が使用されている、無電解ニッケルのはんだ付け性はNi/P(ニッケル/りん合金)よりもNi/B(ニッケル/ボロン合金)めっきのほうがすぐれている。
3.ボンディング特性
ボンディング特性は、ICリードフレーム等の半導体部品のシリコンウエハーの融着(ペレットボンディング)やリードワイヤーボンディングに適しためっき特性の評価に用いられ、金めっきでは99.9%以上の純金めっき浴が使用される。 ボンディング用めっきには他に、金、銀、ニッケル等が行なわれている。
城南電化情報委員会
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