1.ダイキャストと鋳物
ダイキャストとは、合金を溶かし金型に高圧で流し込み鋳造成型する方法、で、キャスティング(Casting)とは鋳造の意味をさす。
ダイキャストには、亜鉛ダイキャストとアルミダイキャストが一般に知られている。
一般に鋳物には、鉄鋳物(鋳鉄、ねずみ鋳鉄)、銅鋳物と、アルミニュウムやマグネシウム、チタンなどの軽合金鋳物がある、また、これらの製法には上記ダイキャスト法以外に砂型・金型、重力、チクソーモールド、真空(減圧)、ロストワックス鋳造法等がある。
ダイキャストへの表面処理には次のようなものが行われている。
2.亜鉛ダイキャストへの表面処理
亜鉛ダイキャストは、量産性、精密鋳造に適しているため電子部品、光学部品、精密機械部品に利用されている。表面処理としては、塗装(電着塗装等も含む)のほか、化成処理、組成成分の亜鉛が耐薬品性に乏しいことから密着性を確保し耐食性を上げるためシアン化銅ストライクを下地に行ってから目的の処理 (耐食性ではニッケル、耐磨耗性ではハードクロム、装飾・機能部品には黒色・着色めっき(処理)、金めっき等)が行われている。
3.アルミダイキャストへの表面処理
アルミダイキャストは、軽量で耐食性にすぐれることから二輪車エンジン、車部品、船外機、家庭用品等に使用されており表面処理としては、塗装(電着塗装等も含む)、アルマイト(陽極酸化処理)、化成処理、直接めっきまたは、ジンケート(亜鉛置換)処理後シアン化銅ストライク、無電解ニッケルめっき他、亜鉛ダイキャストと同様に目的のめっき等が行われている。
4.鋳造品への表面処理
鋳造品は、上記ダイキャストを含め量産性、精密鋳造に適しているため建築、機械、電子、車部品、家庭用品等さまざまな産業に利用されている。
鋳造品には、その組成成分と鋳造過程における組成の不均化、鋳じわ、ピット、空孔(鋳巣)等の欠陥が原因で品質の低下、表面処理への悪影響が問題となるものもあり合金種、比率、製造法等の検討が行われている。
鋳造品への表面処理は、上記組成及び不均化等が問題となる場合、研磨、液体ホーニング、ブラスト処理の適用、使用処理薬品・処理条件の選定を行う必要がある。
ピットや空孔(鋳巣)が問題となる場合は「前項の焼結合金」と同様の処理法の検討を要す。表面処理は、耐食性、美観、塗装密着性、導電性等を目的に塗装(電着塗装等も含む)、アルミニュウム・マグネシウム合金へのアルマイト(陽極酸化処理)、鉄鋳物、銅鋳物等への化成処理、また亜鉛、ニッケル、クロム、銅めっき等、目的のめっきを電気めっきまたは無電解めっきで行われている。
城南電化情報委員会
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